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少年との出逢い【01】

二週間ほど経ったある日の夕方、会社帰りの雑踏を歩いていた私の携帯に、岩崎からの電話が掛かりました。先日、彼と会ってからずっと連絡を待ち続けていた電話です。

少年からの返事はどうなったんだろう…

慌てて脇道に入り、一呼吸置いてから電話に出ます。

「はい、川島です」
「岩崎です。急で申し訳ありませんが、今夜会えますか?10時頃に例の喫茶店で」
「え… 今夜ですか… はい、大丈夫ですが、電話じゃ駄目なのですか? 彼との連絡は取れたのですか?」
「それも含めて今夜、お話しましょう」

「彼は条件を了解してくれたんですね?」
「だから今夜、ゆっくり話します。じゃあ10時に」

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岩崎は用件だけを伝えると電話を切りました。私の焦りを彼に晒した恥ずかしさと、答えだけでも手短に教えても構わないだろうという苛立ちが交互に入れ替わります。

10時か… まだ4時間もあるな…

一旦、家に帰ってから出掛け直すには妻への言い訳が面倒です。岩崎との計画はまだ彼女には話していません。
仕事で遅くなるから食事はいらないことを妻にメールで伝えると、映画を観て時間をつぶすことにしたのです。

どんな返事だったのだろう…
なぜ、電話じゃあ駄目なんだろう…

そのことばかりが気に掛かり、何度も腕時計を見たのです。

由香里はもう会社から家に帰ったのかな…
今頃一人で夕食をしているのだろうか…

彼女に内緒で企みを進めることに後ろめたさを感じながら、映画の途中で外に出たのです。

由香里は童貞とのセックス経験はありません。今度の相手が10才以上も年下だと知ったら、どんな反応を示すのでしょう。私がずっと気に掛かっていたのはそのことでした。

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夫の目の前で、性経験の無い少年との望んでもいない相手をさせられる屈辱感…
彼にとって永遠の記憶に残る初めての体験を、夫の願望を満たすための道具とする罪悪感…

私が示した条件に彼が応じるかどうかよりも、気に掛かるのは由香里の気持ちでした。
身勝手な不安を心の隅に追いやりながら、私は岩崎との待ち合わせ場所に向かったのです。

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少年との出逢い【02】

私が時間どおりに待ち合わせ場所の喫茶店に着いた時、岩崎はもう店の中でコーヒーを飲んでいました。
この店は岩崎が経営している輸入物のインテリアショップの近くで、彼と会う時は殆どこの場所を待ち合わせ場所にしているのです。

「私よりも先に岩崎さんが来ているのは珍しいですね」
「店が暇ですからね。サラリーマンが羨ましい」
「してみますか、サラリーマン」

無愛想な私の返事に、彼は大袈裟な素振りで返します。

「由香里とは頻繁にメールのやり取りをしてますか?」
「ええ、もちろん。姿の可愛らしい女性は文章も可愛いですね」

私をからかっているのか、どこまでが本気なのか… 未だに私は彼の本心が読み切れません。妻を与えた男に対し、根底では信頼していながらも、苛立ちを感じることもあるのです。

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由香里と岩崎が互いにメールで連絡を取り合うことについては、私はあえて認めていました。どんなやり取りをしているのか、私が妻に聞いた時にはきちんと答えることが条件です。
大まかな内容は妻から聞いていますが、彼女の携帯の中を隠れて覗き見ることはしていません。

由香里を信じているのはもちろんですが、彼女を束縛し過ぎることが、私に対する秘密を作る切っ掛けになりはしないかと思えたのです。

なかなか例の話を切り出さない岩崎に対して、私の方から問い掛けました。

「それで、例の少年… 祐希くんでしたっけ… 彼からの返事はどうだったんですか?」
「相変わらず川島さんはせっかちだ。まあ、少し落ち着きましょう。コーヒーでも飲みながら」

私は岩崎に言われて、まだ何も注文していないことに気付きました。慌ててメニューを広げ、最初に目にとまったストレートコーヒーを店員に頼んだのです。

「もちろん彼には言いましたよ。綺麗な人妻さんとセックス出来るけど、どうするって」

岩崎は彼に対してそんな不躾な聞き方をしたんだ…

「それで彼は何て?」
「驚いてましたよ。最初は信じられないみたいでしたけど」

コーヒーを飲みながら岩崎は話を続けます。

彼は最初は驚きながらも、セックス経験が無いから年上の女性を満足させることは無理だと答えたそうです。
岩崎が、それを気にする必要はないことを伝えてから、やっと落ち着いて話を聞くようになったとのことでした。

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「私のことを言いましたか?」
「もちろんです。その女性の夫が見ている前でセックスをすることが条件だと」
「それで?」
「まず、奥様が他人とセックスすることを、ご主人が許していることに驚いていました。何故って言葉を何度も言いましたよ。そしてその姿を見たいと願っている… それが条件だなんて、彼には理由を納得出来ないみたいでした」

岩崎は途中まで言いかけると、何気なく手元の時計に目を向けます。

彼にとっては、確かに理解出来ないことの筈です。大人でさえ、そのような行為があることすら受け入れられないのですから。

岩崎は突然立ち上がると、ドアが開いた入り口に向かって手を振りました。
店に入ってきた高校生くらいの少年が岩崎を見つけて、こちらに近づいてきます。

まさか彼が祐希という少年?…
岩崎が言っていた18才の大学生とは彼のこと? …
今夜、この場に来るのなら、なぜ前持って教えてくれないんだ…

「岩崎さん、もしかして待ちましたか? バイトのローテの引き継ぎが長くなっちゃって」

彼は無邪気な笑みを浮かべながら岩崎に言葉をかけます。そして脇にいる私に気付くと会釈をしながら挨拶をしました。

「今晩は、森野といいます、よろしくお願いします」

初対面の礼儀をわきまえた若々しく爽やかな笑顔には、引け目などは全くありません。

「こっちも来たばかりだよ。まあ、座りなよ」

岩崎は彼を私の向かいに座らせます。

「こちらの方がこの前話した川島さんだよ」
「え… えっ?」

少年は驚いた顔で私を見ます。彼も私が来ることを岩崎から知らされていなかったのです。
先程までの彼の笑顔は消え、急に緊張した表情で俯きます。岩崎から誘いを受けた性の体験に対する期待が、突然に予期しない現実味を帯びたことに戸惑っているのでしょうか。

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18才という年齢よりも彼が若く見えるのは、目鼻立ちの通った端正な顔立ちが透明な清潔感を放っているからなのでしょう。純真で無垢な容姿だからこそ、幼さの残る内面の未完成さが際立つのかもしれません。
身長はそれほど高くなく、それも彼が少年のような姿を残す理由の一つです。

霞の奥に垣間見る遠景のように、彼と由香里が重なり合いながら交わる姿が妄想の空間に浮かびます。
妻を与える優位の側なのに、あどけない若者のように私自身の鼓動が高鳴りました。

私は店員が持ってきたコーヒーを手に取り、自分の動揺を二人から隠すようにゆっくりと飲みこんだのです。

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少年との出逢い【03】

束の間の沈黙を遮るように、岩崎は黙り込む少年に話しかけます。

「祐希くん、今日はバイト、忙しかった? まだ何も食べてないんだったら何でも注文していいから」
「ありがとうございます。じゃあ… カフェラテとケーキ頼んでもいいですか…」

彼は暫くしてから出されたラテのストローに口を付け、私に目を合わせないように顔を伏せたまま少しずつ飲み込みます。店に入ってきた時の明るく快活な素振りは消え入り、今、自分自身がこの場にいることの意味に、心が押し潰されているかのようです。

「夫婦にはいろんな関係があることをこの前、話したよね」

岩崎の言葉に彼は無言で頷きます。

「実は私も川島さんが見ている前で、奥さんとセックスしたんだ」

少年は驚いた顔で私と岩崎を見ると、口にする言葉に詰まりながら黙って頷きます。

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「祐希くん、年上の女性に興味ある?」

緊張で固くなる彼を解きほぐすように、私は笑みを浮かべながら語りかけるように声をかけました。

「はい… あります… ものすごく」
「今まで好きになった女性も、みな年上なのかな? どんな人を好きになったのかな?」
「はい… 高校1年の時の先生とか… 今も好きです」
「何才くらいの人が好きなの?」
「10才以上年上の人が理想です… 30代の人が…」
「じゃあ、私と一緒だ。私も高校生の頃、そうだったから」

彼はその時になって、やっと私の顔を正面から見たのです。
少し安心したような祐希の表情が、彼に対する私の興味を呼び起こします。

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「まだ、セックスの経験が無いんだよね… 祐希くんの年頃だと、性の欲望が一番強い年代だから、抑えるのが大変だよね」
「はい… そうです…」

祐希は頷く私を見ながら、はにかんだ笑みを少し浮かべると、またストローに口を近づけて顔を伏せたのです。
彼の純真な素振りが、私の心を落ち着かせます。
溢れる性の欲望と理性との板挟みになりながら、戸惑いと焦燥に苛まれる彼の姿を垣間見た気がしたのです。

彼に由香里を与えてみたい…
無垢の彼が妻の体に身悶え、精の迸りを漏らす姿に、あの頃の自分を重ね合わせたい…

少年の刹那にまみれた願望は、私の中に広がる禁忌の妄想を遂げるための手段なのです。
与える代わりに与えてもらう… その時の私には、罪悪という後ろめたさが企みを押し止める余地などなかったのです。

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愛する妻を、性経験の無い少年にとって初めての女性とする…

それは私と妻が体験した寝取られや夫婦交換とは違う、甘美で妖艶な香りの漂う出来事でした。
妻の体奥に精を放つ少年の姿は、かつて私が想い描いた儚い願望を代わりに遂げる姿でもあったのです。

このブログでは私の妻と少年との出逢い、二人の性行為について書いていきます。

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