私の知らない妻の過去… 当時、3才年下の彼にとって、24才の由香里は眩しい大人の女性として目に映ったことでしょう。
「防波堤の脇に芝生があったの… 柔らかくて冷たい芝生だったかな」
由香里は過去の記憶を辿るように話を続けます。
「彼が着ていたパーカーを芝生に敷いてくれて… 私を抱き寄せながらその上に重なり合って… 」
私は妻の首すじに顔を埋め、ただ頷きながら告白を聞くだけしか出来ませんでした。
私と出会う前に由香里が体験した夏の夜の出来事は、私にとって目の前で恋人を奪われるような刹那に満ちた過去なのです。
「彼が求めるまま最後まで… あの時は何故か私の中に躊躇いが無かったの… 彼が年下だったことも理由かな」
「相手が年下だと、どうして?」
私の問いかけに、妻は笑みを浮かべるだけで答えてはくれませんでした。
「由香里が年下の男と外で… 夜の浜辺でセックスした経験があるなんて…」
「ショックを受けた?」
「うん 少し… 少しだけ」
言葉とは裏腹に、私の感情は込み上げる嫉妬と悔しさに押し潰されそうでした。由香里の指の中で、私の肉茎は行き場のない葛藤の想いをたぎらせていたのです。
目を閉じ、性の行為にふける妻と彼との姿を描きながら、さらなる告白を妻に求めました。
「どんな気持ちだった?… 年下とのセックス… 」
「きっと彼はあまり経験は多くはなかったのかな… 慣れた感じではなったし… だけど、何故か嬉しかった」
「どうして?」
「それは内緒」
わざと意地悪な表情を浮かべる妻に、堪えようのない情愛が込み上げます。
「由香里はその時… 心の中でどんなことを想ってたの?」
「いろんなこと…」
「例えばどんなこと?」
「彼の後ろに見える夜空の星が綺麗だなって…」
私は思わず彼女の顔を見つめました。それは決して私をはぐらかそうとする答えではなく、過去の記憶として妻の中に刻み込まれた思い出だったのです。
「私の上で動く彼に合わせて揺れる星を眺めていたの… そうしていると、彼との行為がすごく自然なものに思えて…」
「他にどんなことを覚えている?」
「波の音かな… 真っ暗で静かな浜辺で耳をすますと、遠くと近くの波の音が混じり合うのが聞こえるんだなって…」
由香里の目を見つめていると、その時の場面が私の中にも浮かびます。
「見たかったな… 由香里と彼とのセックス… きっと切なくて辛いだろうけど」
「私と一緒に… その時のことを想って」
妻は私の強張り添えた手を、次第に早く動かします。それは二人の姿を追い求める私への、彼女なりの慈しみなのでしょうか。
「ねえ、出していいよ… 射精して… 」
亀頭から溢れ出るであろう精液を受け止めるため、妻は枕元のティッシュを何枚か取るとシーツの上に重ねました。
「大丈夫… まだ我慢できるから…」
「私のことで嫉妬してくれたんだね」
「もっと由香里と彼のことを知りたいんだ… 年下の彼を夢中にさせた由香里のことを」
私は上擦る声を押し出すようにして、妻に告白の続きをせがんだのです。
彼はどんなふうに果てたのか…
由香里が彼によってどれだけ満たされたのか…
「きっと彼は、今夜のセックスをずっと忘れないんだろうな… 私も絶対に忘れないからね… 心の奥から素直にそう思えたの」
由香里の唇から漏れる小さなため息が、私の耳元に漂います。
当時は互いの存在すら知らなかった私と由香里は、過ぎ去った出来事に鼓動を昂らせながら、無言のまま体を抱き寄せたのです。
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