祐希は私に対して少しずつ心を開いているのでしょうか。
彼が私に対して抱いていた疑念が、僅かながら解きほぐれたように思えたのです。
「どうして年上の女性が好きなのかな?」
「僕にもよく判りません。気が付いたら好きになってました…」
答えそのものよりも、一人称に彼が使った「僕」という言葉が、妻の相手として彼を選ぼうとする気持ちを突き動かします。
恥ずかしさを堪えるように、俯きながらケーキを食べる彼は、姿だけでなく内面の奥までまだ未成熟なのです。
祐希をリードしながら、底知れぬ快楽を与えてくれる性の交わりへと導く妻の姿…
彼の反り返る肉茎に生暖かな膣奥を貫かれ、激しい脈動を繰り返しながら放たれる熱い精液に、禁忌の至福を味わう妻の姿…
今まで妄想の中では霞んでいた少年の顔が、目の前にいる祐希の顔に重なり合います。
「あの 奥さんは年下が好きなんですか?」
「あ… うん…、そうなんだ」
不意の質問に、思わず嘘をつきました。
由香里が過去に交際していた男性は、みな同い年かそれ以上です。彼女が独身の時は何人かの年下の男性から交際を申し込まれましたが、実際に付き合ったことはありません。相手への気持ちが最も大切で、年齢を条件にはしていないのです。
ですから彼への答えは、半分は嘘で、半分は本当のことと言えるのかも知れません。
「川島さん… よかったら携帯に入っている由香里さんの写真を、祐希くんに見せてあげたらどうですか」
岩崎からの誘いに、私は鞄から携帯を取り出し、写真のフォルダを開いて祐希に渡しました。
そう言えば、岩崎と初めて会った時も、こうして写真を見せたんだ…
あの写真が、その後の私達夫婦を変えたんだ…
「わ… 凄い綺麗な奥さんですね」
それまで何かの躊躇いを抱えていた祐希の目が、急に一人の男の目に変わります。
「あの… 他の写真も見ていいですか」
私は携帯に入っている写真の切り替え方を彼に教えました。
性の対象となる由香里の姿が、行き場の無かった少年の欲望をセックスの魅惑に誘います。
彼にとって想い描くだけだった性への憧れは、携帯の中に入っている現実によって激しく揺れ動くのです。
>> 体験告白や官能小説をもっと見る>> アダルトブログをもっと見る