二週間ほど経ったある日の夕方、会社帰りの雑踏を歩いていた私の携帯に、岩崎からの電話が掛かりました。先日、彼と会ってからずっと連絡を待ち続けていた電話です。
少年からの返事はどうなったんだろう…
慌てて脇道に入り、一呼吸置いてから電話に出ます。
「はい、川島です」
「岩崎です。急で申し訳ありませんが、今夜会えますか?10時頃に例の喫茶店で」
「え… 今夜ですか… はい、大丈夫ですが、電話じゃ駄目なのですか? 彼との連絡は取れたのですか?」
「それも含めて今夜、お話しましょう」
「彼は条件を了解してくれたんですね?」
「だから今夜、ゆっくり話します。じゃあ10時に」
岩崎は用件だけを伝えると電話を切りました。私の焦りを彼に晒した恥ずかしさと、答えだけでも手短に教えても構わないだろうという苛立ちが交互に入れ替わります。
10時か… まだ4時間もあるな…
一旦、家に帰ってから出掛け直すには妻への言い訳が面倒です。岩崎との計画はまだ彼女には話していません。
仕事で遅くなるから食事はいらないことを妻にメールで伝えると、映画を観て時間をつぶすことにしたのです。
どんな返事だったのだろう…
なぜ、電話じゃあ駄目なんだろう…
そのことばかりが気に掛かり、何度も腕時計を見たのです。
由香里はもう会社から家に帰ったのかな…
今頃一人で夕食をしているのだろうか…
彼女に内緒で企みを進めることに後ろめたさを感じながら、映画の途中で外に出たのです。
由香里は童貞とのセックス経験はありません。今度の相手が10才以上も年下だと知ったら、どんな反応を示すのでしょう。私がずっと気に掛かっていたのはそのことでした。
夫の目の前で、性経験の無い少年との望んでもいない相手をさせられる屈辱感…
彼にとって永遠の記憶に残る初めての体験を、夫の願望を満たすための道具とする罪悪感…
私が示した条件に彼が応じるかどうかよりも、気に掛かるのは由香里の気持ちでした。
身勝手な不安を心の隅に追いやりながら、私は岩崎との待ち合わせ場所に向かったのです。
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